「引っ越しの挨拶に来ました」といえば、マンション住人はドアを開けてくれる。
そんな人情を逆手にとった事件が平成13年に発生しています。
事件の詳細は下記の通りです。
●東京都内のマンション(平成13年7月30日)
午後2時半頃に「引っ越しの挨拶に来ました」とチャイムが鳴り
扉を開けた主婦がアジア系の外国人3人に拘束されました。
犯人たちは室内にあった現金8万円を奪った他、
キャッシュカード5枚と暗証番号を無理やり聞き出し、複数金融機関から現金約80万円を引き出しました。
幸い拘束された主婦に怪我などはなかったものの、犯行の手口は極めて悪質でした。
今後、同じような事件が発生するのではないかと言われています。
もちろん被害者に過失はありません。
しかし、犯人たちは「確実に犯行を遂行することができる相手を選んでいる」という点を忘れてはいけません。
似たような条件下にある家庭であれば、同じような事件の被害者になってしまう可能性があるのです。
恐らく犯人たちは被害者に下記の条件が揃っていたために犯行をおかしたと言えます。
●小さな子供がいる(人質にとりやすい)
●マンションに住んでいる
●月末で手元に現金がある
●昼間なので夫がおらず女子供だけである
こういった被害から身を守る為には、
どんな人物が訪ねてきたとしても安易にチェーンを外してドアを開けないということです。
「引っ越しをしてきた」という場合であれば、
「何号室に引っ越してきたのか」、「名前は何というのか」など相手の情報を先に入手するように心がけましょう。
また、「少し待ってください」と伝えて、管理人室に事実なのかどうかを確認することも大切です。
その為にも、管理人室の電話番号はすぐわかるところに保管しておくようにしましょう。
男手がなく、女子供だけの状態になる昼間。
昼食後、昼寝などをするのんびりとした時間帯は強盗にとって
力を必要とせずに犯行をおかすことができる時間帯でもあるのです。
子どもを人質に取り、母親の口を割らせれば
金目のものを物色する手間を省くことができます。
見知らぬ来訪者にはくれぐれも注意してください。
自宅の玄関ドアは最後の砦です。
チャイムが鳴っても決して気軽に扉を開けてはいけません。
必ずインターホンなどで映像を確認してから対応するようにしてください。
防犯ブザーをドアに取り付けておき、
万が一 事件に巻き込まれそうになったら音を出して
近所に知らせることができるようにしておくことも大切です。
昼間やってくるのは悪質なセールスマンか泥棒だと割り切って、
一切 対応しないというのもひとつの有効な手段だということができます。
マンション内にウロウロしている人間を見かけたら、
住民同士で注意して防衛できる協力体制を作っておきましょう。
「泥棒は不在時だけでなく、昼間に堂々とやってくる」という認識を持って
行動をとるようにしましょう。